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遊佐地産地消エネルギー協議会は、2024年6月18日 遊佐町役場議場にてワークショップ「第2回 ゆざみらい しゃべり場」を開催しました。

当日は、協議会メンバーを含めて45名が参加しました。参加者の性別は下記の通りです。(高校生3名を含む)

プログラム

冒頭、遊佐地産地消エネルギー協議会 会長 阿部敦氏から協議会の活動を通じて町民が主体的に再生可能エネルギーを通じたまちづくりにかかわっていくことへの期待など、開会挨拶がおこなわれました。

次に、講師の鈴木亨さんによる講演「町民が所有する再生可能エネルギー?〜地域が主役になる再生可能エネルギーを学ぼう!〜」がおこなわれました。

👉 講演「町民が所有する再生可能エネルギー?〜地域が主役になる再生可能エネルギーを学ぼう!〜」

鈴木 亨(すずき とおる)

1957年 北海道生まれ。自治体職員、生協職員を経て、NPO法人北海道グリーンファンドを1999年に設立し、2011年に理事長就任(現職)。誰でも無理なく地域環境保全に貢献できる「グリーン電気料金制度」を開始し、日本初の市民出資型の風力発電事業を行うとともに、市民風車のパイオニアとして各地の取り組みの支援も行う。株式会社市民風力発電(2011年)、株式会社自然エネルギー市民ファンド(2003年)を相次いで設立。2012年に一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構理事長に就任。2020年7月一般社団法人全国ご当地エネルギー協会共同代表に就任。

鈴木さんの講演では、これまで国内で展開してきた市民出資による風力発電事業「市民風車」の歴史や仕組み、事業を通じて地域社会とのかかわりを深め、地域の課題の解決に取り組んできた事例などが紹介されました。

また、環境省の地域経済循環分析ツールから、遊佐町の年間のエネルギー収支はマイナス23億円であることが示されました。これはつまり、石油・石炭製品を中心として、町の年間予算総額(約140億円)の約16%がエネルギー代金として町外に支払われており、町民1世帯当たりでは約52万円が域外に流出していることを意味します。

こうした地域エネルギー収支のマイナスから脱却するには、再生可能エネルギーを地域内で生産し、地域内で消費する「地域エネルギー経済循環」が重要になります。

遊佐町での具体的な再生可能エネルギーのポテンシャルとしては、太陽光発電小水力発電木質バイオマス畜産バイオガスに可能性があることが示されました。

最後に、地域で取り組む再生可能エネルギー事業の資金調達について、市民出資(匿名組合出資)の仕組み、シニアローンとメザニン出資を組み合わせたスキームなどについて解説がありました。遊佐町では、洋上風力発電にも、地域・市民出資の活用が期待されます。

👉 おしゃべりタイム

後半は参加者同士のおしゃべりタイムがおこなわれました。最初に協議会メンバーの古屋将太さん(環境エネルギー政策研究所)から、おしゃべりタイムの進め方について説明があり、テーマの例を参考にしながら、率直な感想や素朴な疑問を言葉にしてみることからスタートしました。

20分間のおしゃべりタイムの後、それぞれのテーブルで話し合われたことを全体で共有しました。

おしゃべりタイムでの意見(一部抜粋)

再エネへの出資に少し懐疑的ではあったが、どういうことなのか少しずつわかってきた。

石狩で風力発電の電気を学校に供給している事例を聞いて、どういう仕組みなのか知りたくなった。

遊佐町にも小水力発電のポテンシャルがあることを踏まえて、考えてみたくなった。

洋上風力発電について、故障したときにどうなるのか心配。

若い人たちで集まって、風や太陽で電気をつくって経済をまわしていきたい!(大人が応援して、お金も出す)

農業をやっていると気候変動を身近に感じるので、再生可能エネルギーの重要性は理解している。

能登の地震のように、再生可能エネルギー事業にもリスクがあるはずで、事業性にどう影響するのかを知りたい。

「市民出資」は怪しいという印象があったが、詳しく知ることが大事だと感じた。

みんなでわいわい楽しく進めていく上では、個人のやりたいこと、理想の暮らしなどを共有しながらやっていくといい。

電気代、ガソリン代、灯油代が上がっていて、高い。

高校の電気代がどれくらいかかっているか知らない。

遊佐高校で断熱ワークショップやってみたらいいかもしれない。

最後に参加者全員で集合写真を撮り、散会となりました。

遊佐地産地消エネルギー協議会は、今後もこのような対話の場を通じて町民一人ひとりが地域のエネルギーとまちづくりに主体的にかかわっていくためのきっかけとなる機会をつくっていきます。